構築
テラスタルというシステムを使いこなすうえで、まず真っ先に「弱いタイプを代償に強い要素を得ているポケモンのタイプを変えたら最強なのではないか」と考えた。
弱いタイプといえばむしタイプである。
そして、むしタイプの強い要素といえばそう、「ちょうのまい」である。
というわけで、SV最初のシーズンはウルガモスを軸に構築を組んでいくことに決めた。
→全抜きアタッカーとしてウルガモス
→全抜きサポートとしてステロまきびしガブリアス
→ステロまきびしと相性が良いあくび残飯ヘイラッシャ
→ウルガモスが選出できないときのサブアタッカーとして鉢巻カイリュー
→ウルガモスが選出できないときのサブ特殊受けとしてチョッキジバコイル
の順で構築が完成。ウルガモスがテラスタルに強く依存するポケモンなので、なるべくテラスタルに頼らなくても戦えるポケモンで固めることを心がけた。
個別解説
S:最速86族+1
テラスタイプ:フェアリー
テラスタル優先度:高
このパーティーの軸にして抜きエース。このポケモンがいちばん強くテラスタルを使えるので、選出の際はまずウルガモスにテラスタルを切る試合展開を作れそうかどうか考える。
コンセプトの「ちょうのまい」、
ドラゴンへの打点として「テラバースト」。
炎技は「ほのおのまい」と迷ったが、てんねん勢を他のダメージと合わせてゴリ押す際の技威力を重視して「だいもんじ」を選択。正直「ほのおのまい」でいい。
シーズン通して大活躍で、このポケモンで稼いだ白星は数えきれない。妖の優秀な耐性でほぼあらゆる特殊ポケモンを起点にし、炎+妖+草の攻撃範囲で無双する。
「ちょうのまい」はDを上げる積み技という意識を強く持ち、起点を見逃さないプレイングが重要。
いざという時は「げきりん」等に捨て気味に後投げし、ほのおのからだの発動を狙う立ち回りも覚えておくこと。
S:最速70族+2
テラスタイプ:はがね
テラスタル優先度:低
ウルガモスと相性の良いステロ撒き要員。
ガブリアスでドラゴンやフェアリーを誘い、妖ウルガモスの起点にしていく。
竜技は取り回しの良さを重視して「ドラゴンクロー」を選択。威力も命中も安定しているため、交換読み等で気軽に振れる点が便利だった。
「まきびし」はあまりうまく使いこなせなかったが、他に入れたい技もなかった。「どくづき」「がんせきふうじ」辺りが候補か。
ドラパルトの「おにび」やカバルドン等の「あくび」が多いと感じラムの実を持たせたが、ほとんど機能しなかった。本当はオボンを持たせたかった。ラムの他に混乱実やゴツメなども試したがどれもしっくりこなかった。
テラスタイプ:じめん
テラスタル優先度:小
物理クッション。物理全般に受け出しし、「あくび」から有利な展開を作っていく。
セグレイブ、カイリュー、ガブリアスなどどこからでも電気テラバーストが飛んできてくる環境に嫌気が差し、地面テラスタル+「じしん」を搭載。
Aに振ったついでに3ウェポン構成にした。「じわれ」も魅力的だが、この構築では確実に削って裏の圏内に押しこむ動きの方が重要。
A振りの恩恵を感じる場面もなくはなかったがそれ以上に耐久が絶妙に足りず、本来の役割を果たしきれないことが多かった。本当はオボンのみを持たせたかった
氷+地の範囲で割と完結しており「ウェーブタックル」をほとんど撃たなかったため、ここを補助技に変えて努力値をHBに変更したい。
地面テラスタル自体はなかなか使いやすく、目論見通り電気セグレイブを返り討ちにする試合も。
「ボルトチェンジ」を透かす目的でテラスタルすることもあったが、裏のガブリアスへの交換読みで別の技を撃たれることも多く嚙み合わなかった。
テラスタイプ:ノーマル
テラスタル優先度:高
物理の崩しアタッカー。自身より早いポケモンには「しんそく」、遅いポケモンには「げきりん」で攻めていく動きがシンプルに強力。その上でマルチスケイル&無テラスにより対面性能も高く、出せば何かしらの仕事はしてくれる。
このポケモンもテラスタルへの依存度が高いので、なるべくウルガモスとは同時に選出しない。
無効化されやすい技で拘らなければいけないのがネックで、特に最終日付近はマークされすぎていて動かしにくさが目立った。ゲンガーやサーフゴーに「しんそく」を受けられそうなら「じしん」を撃つ、もしくは裏にチョッキジバコイルを置いてリカバリーできるようにするなど、お互いの裏のポケモンをよく考えて慎重に技を選ぶ必要がある。
鋼サザンドラの対処で困ったので、「かみなりパンチ」の枠は「けたぐり」の方が良かった。
S:無振りアーマーガア+4
テラスタイプ:みず
テラスタル優先度:中
特殊クッション。特殊全般に受け出しし、「ボルトチェンジ」から有利な展開を作っていく。アーマーガアやヘイラッシャ等を崩す特殊アタッカーとしての役割も兼ねる。
アナライズ+「ボルトチェンジ」は非常に強力だが、その分読まれやすいため、相手の裏にガブリアスなどがいる際は交換読み「ラスターカノン」を撃つことが多かった。
対ラウドボーン入り構築では積極的にこのポケモンにテラスタルを切る。
H252ラウドボーンに対して水テラバーストは(85.4 ~ 100.5%) 乱数1発 : 6.25%
電+鋼の攻撃範囲が思いのほか狭く、テラバーストのためにテラスタルを切らざるを得ない場面がちらほらあったのが気になった。
テラスタイプ:ゴースト
テラスタル優先度:中
ドラゴン受け兼全抜きエース。
Bに振ることでA252ガブリアスのじしん+化けの皮を耐えるため、「つるぎのまい」で相手のテラスタルを様子見しつつ「じゃれつく」と「ドレインパンチ」を打ち分けられる。…はずだったのだが、最終日は地面テラスや鉢巻で何もできずにやられることが多かった。
鋼テラスタルしてきたガブリアスにA+2「ドレインパンチ」が決まると爽快。
9世代のミミッキュは霊テラスで「かげうち」を強化することができる点が強く、A+4ぐらいまで積めれば多くのポケモンが確一圏内に入る。ミミッキュ一匹で全抜きした試合も多い。
使い慣れている珠型で採用したが、やはりラウドボーンやヘイラッシャに無力なのがネックであまり選出できなかった。一応、選出画面でのカイリューへの抑止力は評価できる。出てくるカイリューの型判別もできる。鉢巻は少なく、ゴツメや残飯が多い。
基本選出
・ガブリアス+ヘイラッシャ+@1(ウルガモスorミミッキュ)
ステロまきびし→あくびと展開し、積み技で全抜きを狙う選出。
相手がガブリアスやヘイラッシャを突破するために撃った「げきりん」や「りゅうせいぐん」を、妖ウルガモスやミミッキュで起点にしていく。
初手ガブリアスは非常に読まれやすく、シーズン終盤は初手ではなく後発からガブリアスを投げていく流れが多かった。
タイプ受け+高火力サイクルで「しんそく」圏内に押し込んでいくことを狙う選出。
カイリューの通りが良い時はコレ。
「ボルトチェンジ」や「あくび」から鉢巻カイリューを何度も繰り出し、超火力を押し付けていく。
この選出をする際はなるべくカイリューを丁寧に扱い、安易に「げきりん」を撃たないことを心がける。
・ウルガモス+@2
選出がまとまらなかった時の選出。ウルガモスがどうにかしてくれることを信じる。割と勝てる。
・ジバコイル+ミミッキュorヘイラッシャ+カイリューorガブリアス
対ラウドボーン入りなど、ジバコイルにテラスタルを切る際の選出。テラスを切らなくても竜を受けられるミミッキュorヘイラッシャと、ドラゴンのどちらかをセットで選出する。
総括
目標だった3桁順位にこそ届かなかったものの、シーズン通して勝率7割を維持できた&剣盾含めて最も高い最終順位を取れたので個人的には大満足です。
と同時に、3桁に乗るためには明確な壁があるなと最終日の対戦を通じて強く感じました。4桁の人たちとの対戦と、3桁の人たちとの対戦は違うゲームを遊んでいる感覚でした。自分もいつか"違うゲーム"側にいけたら楽しそうだな…
ここまで読んでいただきありがとうございました。ウルガモス、強くてかわいくて最高!